スタッフ紹介

耳血腫とは、耳介(耳たぶ)の中に血液が溜まって、ぷっくりと膨らむ症状のことです。

 

わんちゃん猫ちゃんの耳たぶには、たくさんの細い血管が走っていますが、その血管が何らかの原因で破れることによって、このようにぱんぱんに血液が溜まってしまいます。

 

初めて見た方は、「え~!?お耳の中に血が溜まっているの?」と驚かれるかもしれませんね。

 

 

耳血腫を発症するきっかけは、もともとお耳に何らかの病気がある子(外耳炎やマラセチア症などの皮膚病、寄生虫等)が多いようです。

お耳がかゆくて、引っ掻く、頭を振る、こすりつけるなどの外部刺激により、血管が破れて血液が溜まります。

たれ耳のわんちゃんや、まれに猫ちゃんにも診られます。当院でも、ビーグル、フレンチ・ブルドッグや猫ちゃんに診られました。

 

 

 

耳血腫になった時の治療法です。

まずは、お耳の中の溜まった血液を、針を刺して注射器で抜きます。

細い針を使うので、その場ですぐにできます。少しわんちゃんには頑張ってじっとしておいてもらいます。

何回か繰り返します。

最後にお薬を注入します。

溜まった血液がなくなり、お耳がぺたんこに戻りました。よく頑張ってくれました!

何週間かすると再び溜まってくることが多いため、通院してもらいその都度血液を抜きます。

併せて内服薬も飲んでもらいます。

 

これで治ることもありますが、治らない場合は、全身麻酔下による手術を行います。

耳介に数か所穴を開けて、血液が溜まってしまう隙間を縫い合わせ、血液が溜まらないようにします。

抜糸するまでは、エリザベスカラーを着けて生活してもらいます。

 

この子の場合、耳血腫が完治した後も、再発防止のために外耳炎の治療(お耳掃除ですね)に定期的に通ってもらうことになりました。

その後のケアも大事です。

一度耳血腫になると再発することもあるため、日頃からお耳を気にしていないか見てあげて下さいね。

 

 

 

 

耳血腫は、どんなワンちゃんでもなりうるごくありふれた病気です。

お耳を掻く、お耳が臭うなどの症状が見られたら、一度病院でお耳を診てもらいましょう。

湿気の多いジメジメした今の時期は、お耳の中が蒸れてかゆくなりやすいです。

お耳を清潔に保つことが、耳血腫の予防になります。(^_^)/

 

また、ご自宅で綿棒によるお耳掃除は、耳垢を外耳の奥へ押し込んでしまったり、外耳を傷つけてしまったりと危険ですので、病院でしてもらいましょう。

お耳のホームケアは、コットンで優しく拭いてあげるくらいがいいと思います。

イヤークリーナーも販売しています。ご自宅でのお耳掃除の仕方もお教えしますので、気になる方はいつでもお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福岡市南区、春日市、那珂川市で動物病院をお探しの方は当院までお気軽にお問合わせください。

2020年6月29日更新