スタッフ紹介

【熱中症とは】

熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで体温が上昇し、高体温と脱水によって起こる病気です。

悪化すると死亡や後遺症につながることもある非常に危険な病気です。

 

加えてワンちゃんネコちゃんは、熱中症になりやすい要因をいくつか持っています。

汗腺がほとんどなく、人間のように汗をかいて体温調節をすることができないため、体温調節が苦手。全身を毛で覆われている。温度が高くなる地面の近くを歩く。など。

また、熱中症で来院する子たちは、圧倒的にワンちゃんが多いです。

 

【熱中症を起こしやすい種】

・犬ではフレンチ・ブルドッグ、パグ、シーズーなど、猫ではペルシャ、エキゾチックショートヘア、ヒマラヤンなどの短頭種

ワンちゃんネコちゃんは、足の裏でしか汗をかけないため、体温調節を呼吸によって行います。短頭種は鼻が短く口腔の面積が狭いため、熱を逃がすのが苦手なので、特に熱中症を起こしやすいです。

元々寒い地域の犬(ハスキーや秋田犬)毛の厚い犬(柴犬)長毛の犬も暑さに弱いです。

太っている子は首周りの脂肪が厚く、呼吸がしにくい状態であるのと、皮下脂肪に覆われているため、体温を下げづらいです。

・体の生理機能が未発達な幼齢な子は、体温調節がうまくできません。逆に、老齢な子は、衰えているため暑さを感じにくくなります。

・その他、大型犬や心臓や呼吸器の病気があるワンちゃん、体力がない子などは、熱中症のリスクが高くなる傾向があります。

 

【予防法】

・犬猫に適した環境は、室内の温度は25℃~28℃、湿度は45%~65%と言われていますが、特に暑さに弱い犬は、暑い時期の室内の温度は26℃以下をおすすめします。また、湿度にも注意が必要です。お水を数か所置いておきましょう。自由に居場所を選択できるようにしておくこと。

そのほかにも、大理石やアルミマットなどのひんやりグッズもおすすめです。万が一空調が故障したときのために、ペットボトルに水を入れて凍らせた物を置いておくのも一つの手です。保冷剤は、溶けて誤飲すると大変危険です(保冷剤に含まれるエチレングリコールは高い率で死亡します)ので、置きっぱなしにするのはやめましょう。

お散歩や外出は涼しい時間帯に行きましょう。お散歩前にアスファルトを直に触って温度を確かめましょう。夕方でも以外とまだ暑かったりします。アスファルトよりも土や草の上の方が温度は低いです。

ワンちゃん用の飲み水を持ち歩いて、水分補給をしてあげましょう。あまりに暑い時は、体に水をかけてあげることもできます。

車内に犬を置いたまま車から離れるのは絶対にやめましょう。エアコンの入っていない車内は、窓を開けていたとしても数分で高温になり、熱中症になる危険があります。

 

【症状】

初期症状

・パンティング(ハアハアと激しい呼吸)※ネコちゃんは基本口呼吸をしません。猫が口を開けてハアハアしている時は危険なサインですので、すぐに病院を受診しましょう。酸素を吸ってもらったりなどの処置が必要です。

・体が熱くなる

・呼吸数や心拍数が増える

・よだれ

・目や口の粘膜の充血

重症化した場合

・ぐったりする

・足元がふらつく

・大量のよだれが出る

・激しくあえぐような息をする

・意識がなくなる

・嘔吐下痢

・ふるえ、痙攣

 

【応急処置の注意点】

熱中症の治療が遅れると死に至るため、早急に治療をすることが大切です。上記の症状が見られたら、すぐさま動物病院へ電話をして病院へ連れて行きましょう。

と同時に、常温の水道水を全身にかけるか、水でビチャビチャに濡らしたタオルをかけて、涼しい場所でうちわなどで風をあてて冷却します。気化熱を応用した冷却法です。早く体温を下げようとして冷水や氷、保冷剤を用いて急激に冷却すると、血管が収縮し、熱が発散しにくくなり、逆に体温が下がりにくくなってしまうのでやめましょう。

また、病院へ行くほどの症状ではなく応急処置でいったん落ち着いたように見えても、臓器に後遺症が残ることもあるため、必ず病院を受診しましょう。

 

熱中症の症例については、ブログにてご紹介しています。詳しくはこちらから☞https://matoba-forest.com/wp/archives/3751/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022年7月15日更新