スタッフ紹介

今年は異例の早さで梅雨明けをし、夏本番ですね。

数年前までは、エアコンを付けずに外出していて、わんちゃんねこちゃんが熱中症になったというケースが当院でも見られましたが、近年のこの酷暑では、エアコンを付けて外出するのが当たり前になりました。それでも、毎年熱中症の患者さんが数件来られます。

今日は、当院で診られた熱中症の症例についてお話したいと思います。

 

 

熱中症についてのお話は、『症例紹介』で詳しく書いていますので、こちらをご覧ください。☞https://matoba-forest.com/wp/archives/3734/

 

夏日にお庭で水遊びをしていて、その後エアコンを付けた室内(おそらく25~27℃くらいだったと思います)に戻ってしばらくした後に、ワンちゃんがハアハアと言い出してなかなか治まらないため受診されました。血液検査やエコー、レントゲンなどいろいろと検査をした結果、特に異常は見つからず、最終的に熱中症でしょうとなりました。若いシュナウザーの子でしたが、しばらく酸素室に入ってもらい、その日のうちに退院されました。

 

ワンちゃんネコちゃんは、人間よりも基礎体温が高く(38℃~39℃)被毛をまとっているので暑がりです。さらに、汗腺が肉球などごく一部にしかなく、人間のように汗をかいて体温を下げることができません。犬はパンティング(口呼吸)、猫は鼻呼吸によって体温を調節するため、体温調節が苦手です。また、冷たい床に寝そべって体温を下げたりもします。

私たちが少し寒いな、と感じると動物たちにはちょうど良く、私たちが暖かいな、と感じると動物たちにとっては暑いぐらいです。

なので、夏に人間にとってちょうど良い温度は、動物さんたちにとっては少し暑いものだと、日頃から認識しておきましょう。

 

また、不慮の事故もあります。老犬の子で狭い場所やケージにはまって身動きが取れない、外飼いの子でたまたまリードがからまって動けなくなった。エアコンの故障やタイマーが切れていた。朝涼しくてエアコンを付けずに外出したら、日中に急激に気温が上がってしまった、など。暑さ対策をしていても、こういった予想外のことも起こってしまいます。

これらの事故を防ぐには、お留守番カメラを設置して外出先からでもペットの子の様子を見るしかないんじゃないかな、、、と思ったりします。ですが、すべての人がそれをやるには無理がありますよね。

なので、日頃から「もしかしたら、こうなるんじゃないか」と予想を立てて対策をしておくこと、今一度環境を見直してみること、が大事なのではないかと思います。

 

老犬で徘徊してしまう子には、ビニールプールをおすすめしています。これですとぶつかっても痛くありませんし、手足が挟まる心配もありません。プールの床には滑らないようにマットや毛布もひいてあげましょう。

 

暑さ対策グッズも、最近では検索するといろいろなアイデアがありますね。皆さんよく研究されているなあと思います。温度調整をしてくれるハウスやひんやりマット、手作りのクーラーボックスなどなど。原始的ではありますが、ペットボトルに水を入れて凍らせたものを置いておくのも一つの手です。万が一空調が止まってしまった場合の対策もしておくと安心ですよね。他にもいろんなアイデアがありますので、是非調べてみてくださいね。

 

最後にもう一つ。ケーキなどに付いてくるふにゃふにゃの保冷剤がありますよね。この保冷剤に含まれるエチレングリコールを誤飲すると、高い率で死亡しますので大変危険です。また、甘味や臭いがするので、ワンちゃんは喜んで食べてしまうようです。エチレングリコールを含む保冷剤や、かじって中身が出せる保冷剤は、ワンちゃんネコちゃんに渡しっぱなしにしないよう注意しましょう。

 

暑さ対策を万全にして、快適な夏が過ごせますように。(^^)/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022年7月16日更新